不動産売却における契約不適合責任について!売主が避けたいリスクも解説

不動産売却のお役立ちブログ

久保 毅明

筆者 久保 毅明

不動産キャリア9年

東大阪市を中心に、売却取引件数は年間約80件以上。東大阪の会社にて2015年から3年賃貸仲介業を、2018年から4年売買仲介業を学んだのち、2022年に株式会社SR総合不動産販売を設立。9年の不動産経験と税務・登記・残置物処分などの専門家ネットワークを活かし、複雑な売却も一貫してサポート。【迅速な対応・的確なご提案・安心のお取引】を大切にお客様に最適なプランを提案している。

不動産売却における契約不適合責任について!売主が避けたいリスクも解説

不動産を売却した後に、買主から契約内容と異なると欠陥を指摘されることがあります。
その際に売主が負う可能性のあるのが「契約不適合責任」です。
本記事では、不動産売却における契約不適合責任の基本や買主の権利、売主が取るべきリスク回避策について解説いたします。

契約不適合責任とは?定義と瑕疵担保責任との違い

契約不適合責任とは?定義と瑕疵担保責任との違い

契約不適合責任とは、売買契約で取り決めた内容と異なる不動産を引き渡した場合に、売主が負う責任を指します。
具体的には、建物の雨漏りやシロアリ被害、土地の面積不足、権利関係の不備など、契約書の条件に合致しない状態が該当します。
以前は「瑕疵担保責任」と呼ばれていましたが、2020年の民法改正により名称や適用範囲が整理され、より明確に「契約内容に適合しているかどうか」が基準となりました。
瑕疵担保責任が「隠れた瑕疵」に限定されていたのに対し、契約不適合責任は契約に合致していないすべての要素に適用されます。
例えば、売買契約書に「土地面積100㎡」と記載されていたにもかかわらず、実際には95㎡しかなかった場合や引き渡された住宅の給排水設備が契約どおりに機能しなかった場合などが典型例です。
このように、売主が知らなかった欠陥でも契約内容との不一致があれば、買主から責任を問われる可能性があるので注意しましょう。
また、契約不適合責任が問われる対象は「種類・品質・数量・権利」に関わる幅広い項目です。
建物の性能や状態だけでなく、権利関係に不足がある場合も含まれるため注意が必要です。
たとえば、境界線の確定が不十分な土地や、第三者の抵当権が残っている不動産を引き渡した場合も契約不適合とみなされます。
この責任は、売主と買主の契約の公正さを保つために設けられている制度です。
買主は安心して不動産を取得でき、売主は契約内容を明確に記載することでリスクを管理できます。
したがって、不動産を売却する際には、契約書に記載される内容を正確に確認し、必要に応じて専門家の助言を受けることが重要です。

買主が不動産売却後に行使できる4つの権利

買主が不動産売却後に行使できる4つの権利

買主が不動産売却後に契約不適合を発見した場合、法律上いくつかの権利を行使できます。
それぞれの権利には条件や制限があり、どのように行使されるかを理解しておくことが重要です。
以下では代表的な4つの権利について解説していきます。

追完請求

買主は、契約どおりの内容に適合させるように売主へ修補や代替の提供を求めることができます。
例えば、引き渡された建物の設備に故障があれば、修理や交換を請求できるのです。
追完請求はまず最初に選択されやすい手段であり、売主が迅速に対応することでトラブルを小さく収められる可能性があります。
また、追完には「修理」「代替物の引渡し」「不足分の引渡し」が含まれ、状況に応じて柔軟な対応が可能です。
一方で、売主が合理的な範囲を超える費用や労力を強いられる場合には、請求が制限されることもあるため、契約書でどこまで対応するかを明確にしておくことが望まれます。

代金減額請求

追完が不可能、または売主が応じない場合、買主は代金の一部を減額するよう請求できます。
これは「契約で合意した価値が担保されていない」と判断された場合に行使される権利です。
土地の面積不足や修補困難な問題が発覚したケースで使われることが多いといえます。
減額請求の金額は不適合の程度に応じて決まり、必ずしも買主の希望額がそのまま認められるわけではありません。
また、減額の根拠を明確にするために、専門家による査定や見積もりが必要になる場合もあります。
このため、売主としては契約時に面積や設備の状態を正確に記載しておくことで、不必要な減額請求を防ぐことが可能になります。

損害賠償請求

契約不適合によって経済的損失が生じた場合、買主は損害賠償を求められます。
たとえば、雨漏りによって家具や家電が壊れた場合などが典型例です。
ただし、売主に故意や過失がなければ請求が認められない場合もあるため、条件や証明が重要となります。
損害賠償の範囲は直接的な被害に限られることが多く、間接的・精神的損害まで含まれるかはケースによって異なります。
買主が立証責任を負う点も重要であり、裁判に発展した際には専門的な証拠が求められることも少なくありません。
売主としては、事前にインスペクションや付帯設備の調査を行い、契約書に明記するなどの、請求リスクを最小限にする工夫が必要です。

契約解除

不動産の不適合が重大であり、契約目的を達成できないと判断されると、買主は契約自体を解除することが可能です。
ただし、軽微な問題では行使できず、また売主に修補の機会を与えないまま解除を求めることは認められません。
契約解除は買主にとって最後の手段といえるでしょう。
さらに、解除が成立した場合は、売主が既に受け取った代金を返還する義務が生じるため、金銭的負担がとても大きくなります。
また、売主側が再販売を目指す場合には、不適合箇所を修補するか、その旨を明記したうえで新たに契約を結ぶ必要があります。
このように契約解除は双方に大きな影響を与えるので、更なるトラブルを避けるため、解除に至る前の段階での協議や和解が現実的な解決策となることが多いです。

売主のためのリスク回避策

売主のためのリスク回避策

不動産売却では、売主が契約不適合責任を問われると大きな負担につながります。
しかし、契約内容や事前準備の工夫次第でリスクを軽減することは可能です。

免責特約の活用と限界

売主は契約不適合責任を完全に免れることは難しいですが、契約書に免責特約を盛り込むことでリスクをある程度抑えることができます。
例えば「引き渡し後は売主は責任を負わない」といった文言を契約に加えるケースです。
ただし、免責特約は法律上の制限を受けるため、すべての責任を免れることはできません。
買主に不利すぎる特約は無効と判断されることもあるため、過信せず専門家の助言を得ながら内容を調整する必要があります。

責任期間と通知義務の確認

契約不適合責任には、買主が不適合を発見してから一定期間内に通知しなければならないという制限があります。
民法上では「知った時から1年以内」に通知することが原則であり、この期間を過ぎると権利行使ができなくなる可能性があります。
また、売主としては契約書に「通知期限」や「責任期間」を明記することで、後々のトラブルを防ぎやすくなるのです。
特に中古住宅や設備が古い物件を売却する際には、通知期限の設定がリスク軽減につながるでしょう。

事前準備によるリスク低減

不動産を売却する前に、物件の状態を正確に把握しておくことも重要です。
ホームインスペクション(住宅診断)を実施すれば、建物の劣化や設備不良をあらかじめ確認でき、それを契約書に明記することが可能になります。
告知義務を果たすことでトラブルを未然に防ぎ、買主の安心感を高める効果があるのです。
また、付帯設備表や物件状況報告書を丁寧に作成することは、売主にとって後の免責材料にもなり得ます。
売主が契約不適合責任をすべて避けることはできませんが、「特約の工夫」「期間の明記」「事前準備」の3点を意識することでリスクを大幅に抑えることが可能です。
状況にあわせた方法を選択し、トラブルを防ぎながら、円滑に売却を進めていきましょう。

まとめ

契約不適合責任は、不動産売却後に発覚する瑕疵や契約との相違に関して売主が負う重要な責任です。
買主には追完や減額、損害賠償、契約解除といった権利があり、状況次第では大きなトラブルに発展する可能性があります。
そのため、売主は免責特約や通知期限の明記、インスペクションなどの事前準備を徹底し、専門家の助言を受けながら円滑な取引を目指すことが大切です。

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株式会社SR総合不動産販売

東大阪市を中心に不動産売却を専門に手掛けております。
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