家族信託のやり方とは?必要書類や注意点についても解説

久保 毅明

筆者 久保 毅明

不動産キャリア9年

東大阪市を中心に、売却取引件数は年間約80件以上。東大阪の会社にて2015年から3年賃貸仲介業を、2018年から4年売買仲介業を学んだのち、2022年に株式会社SR総合不動産販売を設立。9年の不動産経験と税務・登記・残置物処分などの専門家ネットワークを活かし、複雑な売却も一貫してサポート。【迅速な対応・的確なご提案・安心のお取引】を大切にお客様に最適なプランを提案している。

家族信託のやり方とは?必要書類や注意点についても解説

もしものときの相続対策として家族信託を検討しているものの、やり方がわからないという方も多いのではないでしょうか。
家族信託であれば、信頼できる家族に不動産や現金などの財産の管理・処分を託すことができます。
そこで、家族信託のやり方として、手続きの流れや必要書類、注意点について解説します。
相続対策として家族信託をご検討中の方は、ぜひ参考になさってください。

家族信託のやり方とは?手続きの流れについて

家族信託のやり方とは?手続きの流れについて

まずは、家族信託の手続きの流れについて解説します。
家族信託をスムーズに進めるためにも、流れについてはしっかりと押さえておきましょう。

流れ①家族信託について家族で話し合う

家族信託をおこなう際は、まずは目的や信託内容などを家族と話し合っておくことが大切です。
何のために家族信託を利用するのか、何を託したいのかを明確にしておきましょう。
その際は、トラブルにならないよう、みんなが納得できる形で内容を取り決めるのが理想的です。

流れ➁信託契約書を作成する

次に、信託契約書を作成します。
家族信託は、口頭でも契約自体は成立しますが、トラブルにならないためにも契約書は必ず作成しておきましょう。
信託契約書には、目的や財産、委託者・受任者・受益者、期間、財産の管理処分、終了に関する必要事項、契約締結日、住所・署名捺印を盛り込みます。
なお、契約書の効力を確固たるものにするために、信託契約書を公正証書で作成する方法もあります。
公正証書の場合、公証人によって本人確認や意志確認がおこなわれるため安心です。
また、公正証書で作成すると、原本は公証役場にて保管されるため、紛失リスクを予防することができます。
公正証書を作成する際は、最寄りの公証役場にておこないましょう。
公証役場で相談後、契約書に委託者を受託者の印鑑を押印し、手続きが完了します。

流れ③信託財産の登記をおこなう

次に、不動産などの名義変更が必要になる財産については、委託者から受託者へ名義を変更する手続きをおこないましょう。
信託契約書を作成しただけでは、本人の財産を管理することはできません。
そのため、不動産の所有権を移動する手続きが必要です。
この場合、単純な登記とはならず、信託登記の形で名義変更されます。
その際は、不動産が委託者からの信託財産であることが明記されます。

流れ④信託口口座の開設

受託者は、財産の管理などを託されたのであり、委託者の財産をもらったのではありません。
そのため、受託者が保有する口座とは別枠で資産を管理する必要があります。
そのため、信託専用の別口口座の開設が必要です。
ただし、信託口座を開設できる金融機関は限られているため、事前に対応している金融機関を探しておきましょう。
無事に口座開設ができれば、家族信託の手続きが完了し、管理・運用がスタートします。

家族信託のやり方とは?手続きに必要な書類

家族信託のやり方とは?手続きに必要な書類

家族信託では、手続きにさまざまな書類が必要になります。
信託内容によって必要書類が異なるケースもありますが、ここでは、タイミングごとに一般的な必要な書類について見ていきましょう。

信託契約書を公正証書で作成する際の必要書類

公正証書で契約書を作成する際は、以下の書類が必要です。

●本人確認書類(マイナンバーカードや運転免許証)
●受託者と受益者の印鑑証明書
●受託者と受益者の実印
●信託する財産に関する資料(登記事項証明書など)
●戸籍謄抄本


受託者とは、財産の管理・運営を託す方ですが、受益者は、財産から発生する利益を享受する方で財産の所有者となるのが一般的です。
なお、印鑑証明書は、発行から3か月以内のものを用意しましょう。
また、家族関係を証明するために、戸籍謄抄本も必要になります。

信託登記手続きする際の必要書類

信託登記手続きする際は、以下の書類が必要になります。

●登記済証または登記識別情報
●委託者の実印と印鑑証明書
●委託者と受託者の本人確認書類
●受託者の住民票と認印


登記済証および登記識別情報とは、いわゆる権利証のことです。
仮に登記識別情報を紛失してしまった場合は、再発行されないため注意しましょう。
そのため、専門家である司法書士に相談し信託登記の手続きをおこなうことをおすすめします。
また、ケースによっては、上記の書類以外も準備が必要になるためご注意ください。

信託口口座を開設する際の必要書類

信託口口座を開設する際は、以下の書類が必要になります。

●家族信託の契約書
●受託者の届出印
●受託者の本人確認書類


スムーズに手続きを完了させるためにも、忘れずに準備しておきましょう。

家族信託のやり方とは?手続き時の注意点について

家族信託のやり方とは?手続き時の注意点について

家族信託をおこなう際は、注意すべき点がいくつかあります。
知識が不十分なまま契約を進めてしまうと、のちにトラブルになる可能性もあるため、事前に注意点は把握しておきましょう。
ここでは、家族信託における手続きの注意点を解説します。

注意点1:十分に家族の理解を得ておく

前述したように、家族信託の最初のステップは、家族間での話し合いです。
トラブルに発展する原因として、知らされていなかったと揉めるケースがあります。
信託契約の当事者でなくとも、その方々を置き去りにして家族信託を進めてしまうと、あとになって不満が生じトラブルに発展しかねません。
このようなトラブルを回避するためには、信託に関係する方を含んだ家族全員が納得できるまで時間をかけて進めていくことが大切です。

注意点2:決めておくべきことを明確にする

家族信託をおこなう際は、目的や内容をより詳細に明確に決めておくことが大切です。
具体的な方法や財産のゆくえなどが定まっていないと、家族信託の意味がなくなってしまいます。
目的が定まっていれば、信託する財産や受託者も決定しやすくなります。
家族信託を後悔しないためにも、しっかりと内容を決めてから進めるようにしましょう。

注意点3:家族信託以外の方法も検討する

家族信託は、信頼できる家族に財産の管理や運営を託すことができるといったメリットがあります。
しかし、認知症対策や相続対策を考えるのであれば、ほかの財産管理方法のほうが合っているケースもあります。
家族信託と併せて検討したいのが「成年後見制度の利用」や「遺言書の作成」です。
成年後見制度とは、判断能力が低下した方のために、契約などの法律行為についてサポート人を選任する制度です。
家族信託で決められる事項は、信託財産と財産管理に関することにとどまります。
一方で、成年後見制度であれば、家族信託ではカバーできない信託財産以外の財産管理や、身上保護についても任せることができます。
そのほかにも、遺言書の作成も有効とされる手段の1つです。
家族信託の契約では、財産の承継については決められるものの、相続財産すべてを網羅できるわけではありません。
遺言書を作成しておけば、信託財産以外の財産についても定められるため、相続人同士でのトラブルを回避できます。
なお、遺言書を作成する際も、公正証書で作成しておけば、不備や紛失が起きにくいので思い通りに財産を譲ることができるでしょう。

まとめ

家族信託は、信頼できる家族に自分の財産の管理や運営を任せることができる制度です。
ただし、十分に理解が得られないまま契約を進めてしまうと、トラブルに発展してしまうため、事前に話し合いや目的・内容を明確にしておくことが大切です。
また、必要書類も多いため、必要に応じて専門家と相談しながら進めていくことや、状況によっては家族信託以外の方法も検討してみることをおすすめします。

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