親が離婚したら子どもに相続権はある?放棄の判断についても解説

久保 毅明

筆者 久保 毅明

不動産キャリア9年

東大阪市を中心に、売却取引件数は年間約80件以上。東大阪の会社にて2015年から3年賃貸仲介業を、2018年から4年売買仲介業を学んだのち、2022年に株式会社SR総合不動産販売を設立。9年の不動産経験と税務・登記・残置物処分などの専門家ネットワークを活かし、複雑な売却も一貫してサポート。【迅速な対応・的確なご提案・安心のお取引】を大切にお客様に最適なプランを提案している。

親が離婚したら子どもに相続権はある?放棄の判断についても解説

親が離婚した際に、子どもに相続権があるのかどうか、不安や疑問を抱く方がいらっしゃるのではないでしょうか。
結論からいえば、親権者であるか否かにかかわらず、法律上の相続権が消失することはありません。
しかし、相続が発生した場合にどのような手続きが必要になるのか、事前に知っておくことが大切です。
この記事では、離婚した親の相続における子どもの権利や対応、相続放棄が有効な場面についても解説します。

両親が離婚しても子は相続人になる?

両親が離婚しても子は相続人になる?

冒頭でも述べたように、両親が離婚していても子ども(実子)は依然として「法定相続人」として相続権を有します。
親子の血縁関係が解消されない限り、その地位が保たれる仕組みです。
戸籍状況や親権取得の有無にかかわらず、子どもの相続権が消えることは無いのです。

どんな状況でも変わらない相続人の立場

民法第887条第1項では、被相続人(親)の子は第一順位の法定相続人と定められています。
したがって、たとえ両親が離婚して長年疎遠だったとしても、戸籍上で親子関係がある限り、その立場は一切揺らぎません。
なぜなら、相続権は法律上の親子関係に基づくものであり、心理的・物理的な距離感はまったく影響しないからです。
たとえば、親と離れて暮らしていた場合や、長年会っていなかったとしても、相続権そのものが失われることは無いのです。
さらに、再婚後に生まれた子どもについても、被相続人の実子であれば他の子と同様に法定相続人となり、遺留分も平等に保護されます。
この遺留分とは、相続人が最低限受け取ることができる取り分のことであり、遺言によっても制限されることはありません。

親権の有無や戸籍の形式も影響なし

また、親権があるかどうかも相続権には関係ありません。
親権は未成年の子どもを監護・教育する権利義務を指しますが、相続権は血縁関係に基づく別の制度です。
そのため、たとえ別居していて親権のない親と生計を共にしていなかったとしても、戸籍上の親子関係があれば、子は相続人として遺産分割協議に参加する必要があります。
同様に、戸籍から除かれていても相続権は維持されます。
分籍はあくまで形式上の戸籍手続きであり、親子関係が解消されるわけではないためです。
たとえば、成人して親の戸籍から除かれた子どもでも、親が亡くなれば法定相続人としての権利は変わりません。
ただし、相続欠格や相続廃除といった特別な事情がある場合は例外です。
たとえば、故意に親を殺害した場合などは、法律に基づいて相続権を失うことがあります。
これらは戸籍の有無とは異なる制度であり、実際に相続権を失うかどうかは、家庭裁判所が個別に判断することになりますので覚えておきましょう。

離婚した親の相続の連絡を受けたときの対応

離婚した親の相続の連絡を受けたときの対応

離婚して長年関わりのなかった親から相続の連絡が来た場合、まず検討すべきなのは「相続するか、放棄するか」という対応方針です。
というのも、どちらを選ぶかによって、その後に必要となる手続きや準備が大きく異なるためです。

相続をしたくない場合

もし、離婚した親との関係が疎遠でこれ以上関わりを持ちたくない場合は、「相続放棄」を選択肢として考えましょう。
相続放棄とは、財産も負債も一切引き継がず、最初から相続人でなかったものとして扱ってもらう制度です。
そのため、親に借金や未払費用がある場合でも、それらを受け継ぐ必要がなくなります。
たとえば、疎遠だった親に多額の借金があるケースでは、相続放棄によって債務の引き継ぎを回避することができるのです。
ただし、相続放棄には期限があり、連絡が来てから3か月以内に家庭裁判所へ申述する必要があります。
この期間を過ぎると原則として放棄は認められず、すべてを相続したものとみなされるため注意が必要です。
なお、生命保険金については例外で、受取人が指定されていればその人の「固有の財産」とみなされるため、相続放棄をした後でも受け取ることが可能です。
ただし、相続税の計算上で適用される「500万円×法定相続人の数」という非課税枠については、放棄をすると法定相続人から外れるため適用できなくなる点には注意しましょう。

相続を検討する場合の進め方

相続する方向で検討する場合には、まず相続人や財産の調査を進めることが重要です。
預貯金、不動産、借金などプラス・マイナス両面を把握し、どちらが上回るかを確認します。
そして、調査段階で不動産評価や借金の保証人状況を確認しておくと、後の協議が円滑になるでしょう。
そのうえで、他の相続人と遺産分割協議をおこない、誰が何を相続するかを書面化します。
また、離婚した親の相続は他の相続人が初めて会う人物であることも多く、感情的なトラブルが起こりやすいため、丁寧な話し合いが求められます。
協議が難航しそうな場合や、戸籍・財産調査が困難な場合には、弁護士や司法書士など専門家に相談することで時間と手間を省くとともに、安心して進められるのでおすすめです。

連絡を受けたらすべき手続き

離婚した親の相続に関する連絡を受けた際には、まず自分が相続人であるかどうかを確認しましょう。
そのためには、戸籍謄本を収集し、相続人の範囲を正確に把握する必要があります。
戸籍は出生から死亡までをさかのぼって取得する必要があり、離婚や再婚の履歴も確認しながら丁寧に調べる必要があります。
次におこなうべきは、相続財産の内容を調べることです。
というのも、相続財産には現金や不動産といったプラスの資産だけでなく、借金などのマイナスの財産も含まれるからです。
借金が多い場合には相続放棄を、プラスの財産が多い場合には相続を選ぶといった判断が求められます。
ただし、この判断には期限があり、民法では「被相続人の死亡を知った日から3か月以内」に対応することが定められているため、迅速な判断と行動が必要です。

相続放棄したほうが良いケースについて

相続放棄したほうが良いケースについて

相続放棄は「最初から相続人でなかった扱い」にし、プラスもマイナスも受け取らない選択肢です。
とくに、離婚した親からの相続で負債を引き継ぎたくない場合に有効です。
ただし、期限や条件があるため、判断を誤ると思わぬリスクを招く可能性があります。

相続放棄とは

相続放棄とは、被相続人が残した財産のすべてを引き継がず、法的に「最初から相続人でなかった」扱いにする制度です。
プラス(預貯金・不動産)だけでなく、マイナス(借金・滞納金)も一切引き継がない点が特徴です。
具体例として、疎遠な親に多額の借金がある場合でも、相続放棄をすれば債務から逃れられます。
そのため、相続放棄は感情面だけでなく、手続面での関与も避けたい場合に適しています。
ただし、一度放棄するとプラスの財産も受け取れず、後から財産が見つかっても取り消しできません。

3か月以内に

先述したように、相続放棄には「熟慮期間」と呼ばれる期限があり、被相続人が亡くなったことを知った日から3か月以内に家庭裁判所へ申述しなければなりません。
これは、民法で定められている要件です。
申述書の提出は、期限内におこなえば正式な審査が後日になっても問題ありません。
熟慮期間が過ぎると「単純承認」とみなされ、一切相続することになります。

良いケース

まず、多額の借金やローンがある場合は、相続放棄が最善です。
たとえば、離婚後に疎遠になった親が連帯保証人になっていた借金を残しており、自身が責任を負うおそれがある場合です。
次に、他の相続人と関係が希薄で、手続面での関与も避けたいケースでは、放棄によって法的な関与を断てます。
とくに、離婚後に交流がまったくない親の場合、相続放棄により精神的な負担も軽減可能です。
さらに、相続財産に関する情報が乏しく、調査に時間がかかる場合も放棄は選択されることがあります。
調査期間が熟慮期間を超える恐れがある際は、期間延長を申し立てながら放棄申述をおこなう方法も有効です。
なお、相続手続きそのものを回避したい高齢者や海外在住者も、相続放棄をおこなえば国内外の煩雑な相続処理を避けることができます。

まとめ

親が離婚していても、法律上子どもが相続人であることに変わりはなく、遺産を受け取る権利は維持されます。
相続には、プラスの財産だけでなく借金も含まれるため、全体の内容を確認して慎重に判断することが大切です。
相続を避けたい場合は、家庭裁判所で相続放棄の手続きを期限内におこない、不要なトラブルを回避しましょう。

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